排水の詰まり



「キッチンや洗面台の排水の流れが悪いな〜」


テレビをつけると通販番組で家のメンテナンスサービスが商品として紹介されていました。

おきまりの排水詰まりの部分、高圧洗浄で油の塊がいっぱい出て来る映像が流れている。

その時「えっ!」と思った部分があったので知ってもらいたいなと。


家のメンテナンスで排水詰まりはちょこちょこと相談のある案件です。

まずは変わりネタ。

床屋さんからの相談でした。

「1階のお店のトイレの流れが悪くてあふれる寸前なのだけど、ホームセンターでスッポン買ってきたやったけど全然だめなんだけど」と連絡があった。

内容的にちょっとだけ覚悟して現場に向かう。

現場に着いてまず流してみると確かにあふれる寸前になる。

まずは家の周りのトイレの排水経路を確認してみるもどこも詰まっていないし水も流れている。

今度は自分が「スッポン」で何回かやってみたら流れるようになった。

外の蓋も全部しめて帰ろうとして最後の確認をしたらまた流れなくなった。

なやんでいると、ふとまだ開けていない浄化槽に入っていくところの桝が目についた。

「もしかして」と思って開けてみたらトンデモな光景だった。

信じられない量のトイレットペーパーが塞いでいた。

トイレットペーパーなので溶けたところから水はちょろちょろ流れていくけど空気は流れてくれないので、空気の入った水鉄砲の口を押さえた状況で便器の水が流れなかったようだ。

その惨状と言っていい状況をみてもらったら、「お客さんの子供がずっとイタズラしていてトイレットペーパー2巻無くなっていたんだよね。」って、もっと早く言ってよ!


さて本題です。

これって築年数の経っている建物でたまにある事案ですので以下に当てはまるようでしたら確認してみてください。

・建てた時からなんか排水の流れが遅いと感じている

・今までに何回も排水の洗浄メンテナンスをしている

上の2つに当てはまる人は一度家の周りにある排水桝を確認してみてください。

その時に排水パイプの出口が上を向いて水が溜まっていませんか?

雑な絵ですがちょっとみてください。


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コンクリートやタイルとかで炊事場を作っていた昔は悪臭が上がってこないように排水の出口に水を貯めて蓋にしていた(トラップ)事がありました。

今は器具の方にトラップ(悪臭が上がらない仕組み)がついてますので必要ないです。

ただ30年くらい前までこの工事をしてしまう業者さんがいたみたいです。

出口に常に水が溜まっているということは排水管が密閉されている状態です。そこに鍋のお湯なんかをいっぺんに流しても空気が逃げないので流れは悪くなります。

それに冷たい水がいつも溜まっているところに油汚れを洗った水が入ってくれば固化しやすくなります。

油の固化はつまりの原因なので詰まりやすくなってしまいます。


そおなんです。テレビの画像はまさにこの上向きの排水出口でした。

洗浄のコマーシャルだったので特に問題はないと思うのですが、あの状態のままだとまた洗浄を頼まないといけないな、とか、パスタのお湯を流したら一気に流れないのだろうなと思ってしまったのでした。